この人たちはいったい何をしているんだ……?
パチンコ店に朝から並んでいる人を初めて見たとき、そう私は思ったものです。
この記事では、開店前のパチンコ店で「朝から行列をつくって並ぶ大人たちは何をしているのか?」を解説します。
- 開店前のパチンコ店に朝から並ぶ人がいる理由
- パチンコ店に並ぶ人にこそ聞いてほしい「かつての私の体験談」
パチンコ店にはなぜ人が並ぶのか。結論からいうと、それはいい台(勝てる台)を確保するためです。
パチンコ店に朝から並ぶ理由とその意味は、勝ってお金を稼げる可能性をすこしでも上げたいからです。
……でも待ってくれ。場合によっては朝どころか「深夜から」待っている人もいるよな
となると、そこまでしてパチンコを打つ価値はあるのかも気になってくるわけで……本記事ではそのナゾにお答えします。
それから、この記事は「並んでいる人は何をしている?」と、気になった人が見ていると思うのですが、
いままさにパチンコ店に並んでいて、暇だからこの記事を見ている
というような「自分が並ぶ人だ」のパターンも、100回に1回くらいはあるかもしれません。
そんな人のために、いちどは朝の並びを見て衝撃を受けた私が、のちにその列に加わることになった話もしておきます。
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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開店前のパチンコ店に朝一で並ぶのはなぜ?
パチンコ店には、スマホや時計を見ながら突っ立って、開店前の朝から並ぶ人がいます。
場合によってはつぎのような人もいるなど、
- ダンボールなどを敷いて地べたに座り込む人
- 飲み物や雑誌だけを置いてどこかに行ってしまう人
- 「仲間が先に並んでいるから」と平然と列に割り込んでくる人
その光景は、見た人から「底辺だ!」と、ののしられたりすることもあるほどのものです。
で、結局、こういう人たちはなにをしているんだ?(なぜ並んでいるのか)
その答えは冒頭のとおりで、いい台、つまり勝てる可能性が高い高設定台(とくにスロット)を確保するために並んでいます。
- どうしても遊びたい台がある(台数にかぎりがあってほかの人に取られたくない)
というのもたしかにあります。
しかし基本は、パチンコで勝ってお金を得るために、いい年をした大人が朝から(遊技店に)並んでいるのです!
超そもそもの話ですが、パチンコはお金を賭けたギャンブルです
勝って出した玉・メダルを換金すれば、数万円~十数万円になります。
あくまで勝てればの話ではありますが、うまくいけばけっこうなお金になるので、勝ちたくて朝から人が並ぶのです。
以前はモーニングサービスやイベント告知があった
またひと昔前では、パチンコ店には「モーニングサービス」とよばれるものがありました。
朝から来ると「いいことがありますよ」ってサービスが以前はあったんだな
モーニングサービスとは、たとえばつぎのようなもので、
すでに当たっている状態からスタートできる(=いってしまえばただでお金がもらえる)
現在は規制の関係でもうやっていないのですが、いまでは考えられないような朝イチ限定の特典があったのです。
それから、以前はイベントの告知もOKでした
イベントは、「お客さんが勝ちやすい高設定台が投入される日」を意味します。
パチンコ・スロットには、勝ちやすい台・負けやすい台があって、イベント日は勝てる台が多くなるので人が並ぶのです。
かつてのイベント告知など
- ゾロ目や1のつく日など、イベント(勝ちやすい日)告知が、HPや店先でおこなわれていた
- 台には高設定を示唆するサカナの札(サメ=4、エビ=5、アンコウ=6など)が刺さっていた
とくにスロットの場合、高設定台(5~6)は、いってしまえば「座れば勝てる」ようなもの。
そのため、朝からそれを示唆する札がついていたりしたら、お客さんは「われさきに」と飛びついていったのですね。
イベント日で勝つためには、まずは限られたいい台を、ほかの人よりさきに取らなければなりません
イベントといっても、すべての台が勝てるわけではなくて、勝てるのは一部の台だけです。
いい台は開店後にすぐ座られてしまうので、それを取ろうと思ったら、逆に朝から並ばなければ話にならなかったのです。
現在も裏でイベントはおこなわれている
このように、パチンコ店での並びは昔から存在していましたが、のちにモーニングサービスなどは廃止となりました。
広告や宣伝が、風営法という法律によって規制強化され、
- この台が出ますよ
- この日は出やすくしますよ
というような、サービス・イベントの告知は実質的に禁止となったからです。
それでも、パチンコ店に並ぶ人はいまもいるわけだよな?
なぜでしょう?
それは、朝から並べば「いい台を取れる・パチンコで勝てる」などの本質的な理由が、いまも変わっていないからです。
じつは、表面上は告知が禁止となったあとも、そういったお知らせは店舗内外、つまり「裏」でおこなわれています。
- 従業員によるマイク放送での告知
- メール会員へのメールマガジンでの告知
- 第三者がイベント情報をまとめて公開している
そのほかでいえば、旧イベント日ということで、それを知っている人たちが「暗黙の了解」で集まったりもします。
そしていい台を取るためには……やっぱり朝から並ばなければなりません
そんなわけでパチンコ店には、平日の朝っぱらであろうと、現在も人がぞろぞろと並ぶのです。
開店前の抽選(入場方法)にも問題がある
最後にもうひとつ。
パチンコ店での朝からの並びは、開店前の抽選、ようは入場方法にも原因があるので補足しておきます。
パチンコは、早く行けばいい台を取れる確率が上がります。
でも、一気に全員が入れるほど玄関は広くないわけだよな
そこで朝イチは、並んだ人の入場の順番を決めるくじ抽選があります。
くじ抽選の方式は、お店に並んだ順番にくじを引いてもらい、「くじの番号の早い順から優先的に入場できる」というのが一般的。
近年では、この並ぶ手間をはぶくため、アプリで並ばずに抽選を受けられるものも登場しています
ところが、「抽選はなしで並んだ順番から入場できる」という、早く並んだもん勝ちのパチンコ店もなかにはあるのです。
くじ抽選はなしで並んだ順に入場できる……
つまり、早く並べばそれだけいい台を確保しやすくなるってことですよね。
だからこそ、並んだ順のお店では、開店まで1時間も2時間もあるのに、朝っぱらからお店の前に人が並ぶことがあるのです。
さすがにいまの時代はあまり聞きませんが、以前はまだ前日の夜だというのに、翌日のために並ぶ人もいました。勝てる金額を考えれば並んでも元は取れたからです。最速では閉店後の夜11時くらいから並ぶ人もいました。
わざわざ県外から遠征までして並ぶ人もいれば、朝から1000人以上が並ぶパチンコ店もあります。
結局みんなお金がほしくて、パチンコで勝ちたいから、そこまでしてでも並ぶのです。
そして私は、そういった朝から並んでいる大人を初めてみたときの衝撃を、いまでも忘れません。
朝からパチンコ店に並ぶ大人を見た時の衝撃は今も忘れない
パチンコ店に朝から人が並ぶ理由は以上です。ここからは、すこし私の話をすることにしましょう。
「朝からパチンコ店に並ぶ大人を見て気分を害した当時ティーンエイジャーの私が、のちに列に並ぶひとりとなった話」です。
わけのわからないラノベのタイトルみたいだが……
「自分は並ぶ側で、いまもパチンコ店で並ぶことがある」という人のために、お話しします。
これは、忘れもしない、まだ私が10代だったころの話です
当時の私は地方に住んでいて、大学受験で東京をおとずれていました。
見知らぬ街にとまどいながらも、朝から試験のために、ひとり会場へと向かっていました。
拠点となる場所から最寄りの駅まで移動し、そこからは徒歩で、受験校を目指していたのです。
そんなとき私は、途中で、なにやら行列ができているのを見つけます。
「東京は朝からすごいなあ。なにをしているんだろう?」
その並びは数百人規模で、入り口付近だけではおさまらず、建物のまわりをぐるっと囲むほどになっていました。
「これはいったいなんなのか?」
気になった私は、試験会場までの道順だったこともあって、その並びができているお店をのぞいてみることにしたのです。
……パチンコ店でした。
平日の朝早くから通勤する人が行きかうなかで、かたや私はこれから大学受験というなかで、朝っぱらから遊ぶためにパチンコ店に並んでいる大人たち。
本人たちは勝つためでしょう
けれども、そんなことは知ったことではなかった私は、こう思ったのです。
「終わってるな、この連中は……」と。
- 平日なのに仕事はないのか?
- いい大人が朝からこんなところに並んでいて恥ずかしくはないのか?
- 道を教えてくれる人もすくないし(つぎで説明)、終わってるな東京って街は……
これから入試という緊張感のあるなかで、私はなにか、見てはいけない縁起のわるいものを見てしまった気がしたのです。
仕事は人それぞれなので、それは私の思い違いだった部分もありました。
しかし当時の私は、この並びに遭遇したことで、朝からひどく不快な気分になってしまったのです。
東京の人は道を教えてくれない
当時はまだスマホなんて便利なものがなかった時代。土地勘のない人間にとって、知らない目的地に向かうのは至難のワザだった。GPSが普及するのは、まださきの話だったから……。
これは完全に余談だが、箸休め的な感じでどうぞ
問題の並びに遭遇した前日、受験校までの道のりを下見していた私は、どうしてもわからない道を通行人にたずねていました。
ところが、これがことごとく無視で……。
うわさに聞いていたとおり、東京の人は道を教えてはくれません(?)。
しかし、地図を持っていても、自分がいまどの地点にいるのかすらわからないこともあるわけです。
私は迷っていてもしかたがないと思い、つぎの作戦にでました。
「ふつうに歩いている人に聞いてもダメ、なら……!」
動物好きにわるい人はいないと、犬の散歩をしていた女性に、目的地までの道のりを聞くことにしたのです。
私「あの、すみません……」
いや、ちょっと、わかりませんから
散歩中のオバサンは、そそくさとどこかへ行ってしまわれました。
ところがどうでしょう。
その後なんとかしてたどり着いた「教えてくださいと聞いたまさにその場所」に、なぜかこのオバサンと犬がいたのです!
……(ササァーッ)
こういった前日の件もあり、パチンコ店に並ぶ大人を見たときの不快感は、かなりのものがあったのです。
その後、自分も連中を構成するひとりになった
それからほどなくして、学生となった私は、なんとあのパチンコにのめり込んでいくようになりました。
パチンコのやり方はじつはその前から知っていて、学生生活に退屈していた、などの理由も重なったからです。
それで、なんとも情けない話なのですが……、
気づけば、いつしか私自身も、そのなかの(朝から並ぶ連中の)ひとりとなってしまっていたのです。
- 雨の日は傘をさして朝から並んだ
- 風の日は強風にあおられながら、いつもいる連中と一緒に並んだ
- 雪の日は凍える手をポケットに突っ込みながら、パチンコ店が開くのを待った
平日には登校する学生や、仕事に行く社会人から刺すような冷たい視線を浴びせられます。
休日には、デートに行くカップルや、街に遊びに来た若者、親子連れのファミリーから、「なにあれ?」と後ろ指をさされます。
皮肉なものですよね。
かつての受験生だったときの私が、朝からパチンコ店に並ぶ連中に向けた視線とおなじ視線が、こんどは自分に対して向けられていたのですから。
とくにつらかったのは、なにも知らない子どもが、純粋にお母さんやお父さんに聞いていたひと言です。
「あの人たちはなにをしているの?」
その質問が耳に入ってきたときが、いちばん苦しかったかもしれません。
何をしているか、かあ……。「何もしていない」んじゃないかな? おまえはあんな大人になっちゃダメだぞ
そんな会話が聞こえてくるようでした。
いまもパチンコ店に並ぶ人に伝えたいこと
では、なぜ私はこのように、パチンコ店に並ぶようになってしまったのか?
それは、パチンコをつづけるうちにのめり込みが激しくなり、知らぬ間にギャンブルに依存するようになっていたからです。
自分を、かつては“こうはなりたくない”と思った存在に、いとも簡単に変えてしまうもの
そんな、ギャンブル依存症(精神的な病気)になってしまっていたからでした
初めてパチンコ店の並びを見たあの日、私は憎しみ……というよりも、情けなさや怒りに近い感情をおぼえました。
ところが、依存するギャンブルのまえでは、
- 自分が恥ずかしい存在になってしまっている
- 自分はうしろめたい行為(仕事や学業をサボるなど)をしている
そんな感情は、なんの力も持たなくなってしまっていたのです。
恥ずかしいとかうしろめたいとか、そのように自分でわかっていてもです。
街ゆく人から、冷ややかな視線を向けられながらも、いい台に座るために朝からパチンコ店に並ぶ
もし、いまそうなってしまっているのなら、初めてパチンコ店に並んでいる人を見たときのことを、いちど思い出してみてください。
あそこにいた連中のひとりになりたいと思いましたか?
朝から並んでパチンコをすることが、ほんとうに楽しいですか?
これが自分の望んだ未来だったでしょうか?
行かないほうがいいと頭ではわかっていても、自制できずに、フラフラ並んでしまっているんじゃないだろうか
もしそうなら、多少なりともパチンコ・スロットへの依存症状があることを自覚したほうがいいと思います。
そしてそれができたのなら、ギャンブルで起きている問題を解決する方向で動いていったほうがいいですよ。
まさにいま朝から並んでいて……という状況なら、そこで帰るのはさすがにムリだと思います
それだったら、負けて家に帰ったあとで考えてみてはどうでしょうか。
自分はこんなことをしていていいのか。これが本当に自分のやりたいことだったのか?
ということをです。
生活を切り詰め、ぜいたくもせずに貯めたお金を持って朝から並び、すべてをしぼり取られて帰ってくる。
そんな生活なんておもしろいはずがないですし、そしてこの生活は、自分でおわらせようと決意しないとおわりません。
どうせなら1時間、2時間並んでも満足できるところに並んだほうが、待っているあいだも有意義な時間になります。
パチンコ店に並ぶのは今日でおわりにして、そういった、ほんとうに楽しい生活を手に入れてほしいと元依存症の私は思っています。
今回のまとめ
- パチンコ店に並ぶ人は勝つために並んでいる
- ギャンブルに依存すると不可抗力的に朝から並ぶようにもなってしまう
- 朝から並ぶ人になっているのなら、最初に見て感じたことを思い出してほしい
朝から並んでいるのが恥ずかしい、とか、そんなものは人からどう思われようが関係ない。
そういった考え方もたしかにあるでしょう
でも、ギャンブルに依存すると、無意識にそのように思い込み、本心を消すようにもなってしまいます。
それから、べつに依存症でなくても、朝から並ぶのはリスキーなことでもあるんだ
せっかく朝から並んだとなれば、狙っていた台がはずれた場合、そのまま帰るわけにはいかなくなりますよね?
そう、ダメそうな台しかのこっていなくても、運だけでなんとかしようとしてしまいます。
ほかの人が捨てていった低設定らしき台でもおかまいなく移動して、結局は気がすむまで(お金が尽きるまで)打ちつづけてしまうのです。
狙いがはずれたらいさぎよく立ち去る、というのは、ふつうの人でもかなりむずかしいことです。
それなら、最初から並ばなければそんなことも起きないわけで、やはりパチンコ店には並ばないほうがいいのですね。
- 抽選でいい番号を取る。開店の数時間前から並ぶ。いい設定の台に座る
そうすることに労力を使うのなら、パチンコをやめるのに力を使ったほうがいいと私は思います。
パチンコにかけた労力はなんにもなりませんが、
パチンコをやめるのに使った労力なら、自分の人生にプラスになって(人生を変える結果となって)返ってきてくれるからです。
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