パチンコ・スロットをしていると、いわゆる「脳汁」がでますよね。
それで、とんでもないレベルの量がでるわけですが、これを日常的に、別のことで出すのは可能なのでしょうか?
この記事では、依存症対策としての「脳汁」について考えていきます。
- パチンコ・スロットで脳汁が出るのはなぜ?
- ギャンブル以外で(同レベルの)脳汁を出して満足することはできるのか
ひとまずの(元依存症の私がたどり着いた)結論からいうと、
ふだんの生活で、パチンコと同レベルの脳汁を、週に数回パチンコに行くような頻度で出す
というのはむずかしいと思います。
パチンコの脳汁は、人生がぶっ壊れる(コントロールがきかなくなる)レベルのもので、もはや異常だからです。
でも、パチンコをやめてみて、そこまでの脳汁はふだんの生活に必要はなく、適度でじゅうぶんだということもわかりました。
そして、その「適度に出す」を知らないと、またパチンコにもどってしまうので、
代替方法とか、パチンコは“NO汁!”を維持する考え方とかをお話ししていきます。
パチンコをやめたらやめたで毎日が退屈でつまらない……なんてときにこそ、この記事を読んでみてください。
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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脳汁の正体は「ドーパミン」だった!?
では脳汁対策についてです。まずはそもそもの話で「脳汁とはなんなのか?」から見ていきましょう。
その答えは、脳内で分泌される快楽物質「ドーパミン」です。
おなじく脳内麻薬などといわれる「エンドルフィン」も脳汁の一種といわれますが、今回はドーパミンを中心に話を進めていきます。
ドーパミンとな?
ドーパミンは、人間が生きる意欲などにかかわるもので、
- うれしいときや楽しいとき
- 感動したとき
- やる気や目標があるとき
といったときに脳内での分泌が促進され、私たちに「快」の感情をあたえてくれます。
ただいい気分にさせてくれるだけではなく、「がんばろう」の原動力にもなるものです。
しかしその一方で、出過ぎてしまったりすると、とんでもない問題が起きてしまう場合もあります。
ギャンブルなどの依存症ですね
ドーパミンがほしくなり、その衝動を、自分ではコントロールできなくなってしまうのです。
本来は人生にとってプラスに働く「脳内物質」……。
それが、いくつかの条件が重なると、脳内麻薬(脳汁)となって、私たちに襲いかかってくるのです!
パチンコで脳汁が出るのはなぜ?
パチンコでいうところの脳汁は、ドーパミンという脳内物質であることがわかりました。
しかし本来、ドーパミンは、つぎのように楽しいことをしているときにも出るものです。
- おいしいものを食べた
- 映画・音楽・読書・旅行・スポーツなどの趣味を楽しんだ
- 目的を達成した、ときめきを感じている
それがどうして、パチンコ・スロットになると、わけのわからないことになってしまうのでしょうか?
ということで、つぎは「パチンコだと脳汁が異常に出る理由」を見ていきましょう
端的にいうと、まず、ギャンブルは受ける刺激が強いからです。
どれくらい強いかというと、アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)によって数値化されたものが比較に使えます。
TVニュースでも引用されたけっこう有名なものなので、見てみましょう。
(※大元の資料が出てこなかったのでスライドを引用します。該当部分は6~7ページです)
- 平常時:100
- 食事:約150
- 性行為:約200
- ニコチン:約220
- 覚せい剤:約1000
ドーパミン放出量の比較では、はじめに人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)のうち2つがランクインしています。
しかし、それを約7割が依存症(※)ともいわれるニコチンが「約220」で抜いています。
ギャンブルは調査項目にはありませんでしたが、個人的には、タバコも余裕で超えているレベルだと感じます。
これだけ(世界的にも)依存症問題になっているギャンブルが、
ドーパミンレベルは100台です!
なんてことは、まずない(数値的にはけっこうなものがある)と考えていいでしょう。
違法ドラッグはちょっとよくわからないので、比較はできませんが、
そういったことから、ギャンブルも、ドーパミン分泌量ランキングでは上位にランクインするものと思われます。
つまりギャンブルは、「脳汁的刺激」が強いということです。
またギャンブル行為がくりかえされると、脳が変化することもよく知られています。
ドーパミンがでる → ドーパミンを出せと脳から指令がでる → パチンコに行きたくなる → 行く → ドーパミンがでる
すると脳は、ギャンブル以外のことにはあまり興味をしめさなくなっていき、よけいにのめり込むことになってしまうのです。
- パチンコ・スロットで脳汁が出るのはなぜか?
- ギャンブルで脳汁を出したくなるのはなぜなのか?
それは、ギャンブルのドーパミン分泌量がそもそも多く、得られるスリル・興奮のレベルが高いからです。
そして、それによって脳が変化してしまい、「行けばエグいレベルの脳汁が出るパチンコ」を、つねに待ちわびてしまうからなのですね。
パチンコ以外で同レベルの脳汁を出すことはできる?
ここまでの話で、脳汁の正体や、脳汁を出したくなる理由までがわかりました。
それをもとに、本題の「パチンコ以外で同レベルの脳汁を出すのは可能か?」を見ていくわけですが、
これは冒頭でお話ししたように、むずかしいです
なぜかというと、パチンコ・スロットでの脳汁は人を狂わせるレベルのものだから。
そのレベルの脳汁が出る「スイッチ」になるものは、ふつうの日常生活にはそうそうないからです。
いうまでもないですが、パチンコはつぎのように、高レベルの脳汁がエンドレスで出つづけます。
- 開店前の並びで「これから打てる」と脳汁。カップ麺の3分理論みたいなもので、待たされるからこそ脳汁も強くなる
- 入場、まだ静かな空間で着席。店内BGMが流れると同時にハンドルを右に or レバーオン。ただ打てただけなのにこの脳汁
- パチ:熱いリーチ演出ラストの揃うか揃わないかの間 → バキバキバキーン! → 音と光で脳汁
- スロ:告知ランプがジワッと光る、突然の無音、「あれ、この目は……」 → ジワジワ脳汁
- 遊戯中のタバコがくそうまい → ギャンブル×ニコチンで脳汁もパワーアップ
- 遊戯後は勝利の酒で反省会 → 酒がうまい、脳汁もアツい(当然アルコールでもドーパミンは出る)
その後私には、読書・運動など、パチンコ以上に楽しいと思える趣味が見つかりました。
けれども、日常的に楽しめる趣味で、ここまでの(パチンコと同レベルの)脳汁がでるものは見つかっていません。
ようするに、気軽にできて「朝から晩までエンドレスで脳汁!」なんて趣味は、なかなかないって話です。
- 大音量のクラブで酒・タバコをやりながらネーチャンといちゃいちゃ踊り狂う
とかなら、それなりの脳汁もでるかもしれませんが、
でも、我々はそういうのではないですよね?
パチンコ台・スロット台といった「機械」を相手に、気をつかわず、ひとりで黙々とやっているのが好きなのです。
だから私は(ドーパミン量でランクインしていた)セックスもちがうと思います。
これはいたって深刻で真面目な話としていいますが、アレは「ひとりでよがっていれば……とかではなく、気をつかうもの」だから。
それに「酒・タバコ」も、ふつうは1日の量に限界(もういいや)があって、エンドレスとはいきません。
以上のことから、パチンコと同レベルの脳汁を、別のことで日常的に出すのはむずかしい、と私は感じています。
(重要)でもみんな我慢しているし我慢はできるようになる
じゃあどうするんだ?
あくまで私の意見ですが、パチンコをやめたあとで、おなじ頻度・強度の脳汁を……というのは、むずかしいです。
ただ、ものすごく重要なことで、ふつうはみんな、こういった脳汁を出すのをガマンして生きています。
- ダイエット中のガール:スイーツは3日に1回
- 金欠のボーイ:友達と飲みに行くのは2週間に1回
- ボディメイク中のミドル:ジャンクフードを食っていいのは月に1回だけ!
とか。
みんなやりたいことがあっても、ガマンして生きていて、欲望を制御しながらなんとかやっているのです。
そしてそれが、ふつうの生き方で、なにかに依存しない生活なんですね。
でも、それは、ギャンブルに依存した経験がない人の話でしょ?
そう、たしかにそう思われるかもしれません。
しかしこれは、重度の依存経験があった私でも、節制した生活を送れるようになっているのでこういえます。
ギャンブル依存症だったとしても、パチンコ・スロットから足を洗えれば、ふつうの生活は送れるようになる
そしてなによりも、
あのパチンコ・スロットをやめられた(ガマンができた)のなら、日常生活でのガマンなんて屁でもありません。
離脱期間という、最上級レベルの脳汁を出したい欲に打ち勝った経験があるからです。
あれ以上のガマンこそ、そうそうないってものですよ。
しかもパチンコへの衝動は、時間がたてばたつだけ弱っていくので、そこまでのガマンも必要なくなります。
- パチンコをやめれば、脳汁を出したい欲をガマンできるようになる
- 超レベルの脳汁はふつうの生活には必要なく、衝動もしだいに弱っていく
ですから、じつはそもそもの話で、パチンコと同レベルの脳汁なんて求めなくて大丈夫なのです。
当時の脳汁体験を思い出すことはあると思いますが、
そんなこともあったけど……でももういいや。省エネで生きよう!
と、切り替えていけるようになるので、大丈夫です!
パチンコをやめたあとの脳汁はコツコツドカンでいけ
パチンコの脳汁は強力なものがありますが、やめたらやめたで、そこまでは必要なくなります。
ただ注意しておきたいのが、ガマンばかりでは、どこかで爆発(スリップ:再パチンコ)してしまいやすいということ。
そこで最後に、再発を防止するための「日常的な脳汁対策」についてお話しします。
これは「コツコツドカン」です
どういうことかというと、ふだんはつぎのように、気軽に楽しめる趣味をつくって脳汁(小)をだします。
- 映画、ドラマを見る
- 本(小説、漫画)を読む
- 運動(ランニング、筋トレなど)をする
- ゲームをする、スイーツを食べる、買い物をする
そして年に1回とか、数か月に1回といったふうに、たまにしかできない趣味もつくって脳汁(大)をだします。
- 国内旅行、海外旅行
- 山登り、キャンプ、などのアウトドア
こうして脳汁(小×大)を出していくことで、ギャンブルをしなくても満足できるようにするのです。
「小」でコツコツ、「大」でドカンと脳汁を出すわけだ
現在の私にとっての最大の脳汁トリガーは、海外旅行です。
- 空港で待機
- 飛行機に乗って海外へ
- 現地に到着! まずはホテルを目指すぞー!
とか、もう最高に脳汁がでるわけですが、じつは新型コロナ以降(2020年~)は行けていません。
それでもなんとかやっていけているのは、その日(旅行に行けるとき)を考えるだけで、まだがんばれるから。
そう、ドーパミンは、目標に向かって動くだけでも出ますし、そのときまで待てるものでもあるんですね。
パチンコ・スロットでの脳汁は週に数回とかですが、やめたあとは、もっと省エネで満足できるようになります。
そして年に数回しかできない趣味があれば、そこでかなりの量の脳汁を出すこともできるので、安心してください。
実際パチンコをするより楽しく感じますよ
毎日がつまらないと感じることもあると思いますが、そんなときこそ脳汁(大)トリガーをつくるべきです。
たまにしかできない脳汁(大)の趣味をほかにつくれれば、その時がくるまでガマンできますし、その時がきたら全力でいけるようになります。
今回のまとめ
- 脳汁の正体は脳内物質「ドーパミン」
- パチンコで出る脳汁はレベルが高く、日常的にほかで出すのはむずかしい
- ただほかの趣味でコツコツ出せるし、たまにドカンと出せるからOK(ふだんは我慢もできる)
パチンコをやめたらやめたで、こんどは「その後の毎日が退屈でつまらない」はあると思います。
じっさい私にもそういう期間はありましたし、いまだに当時の脳汁をなつかしく感じることもあります。
でも、またパチンコですべてがぶっ壊れるのは勘弁なわけです
時間がたてば、ふだんは省エネで満足できるようになりますし、たまにドカンと出せる脳汁でまたがんばろうと生きていけますよ。
もっとも、それをするには、ほかで楽しめる遊びを見つけなくてはなりません。
ですから、これといった趣味・やることがないときは、まずはいろんなことにトライしてみてください。
なにごともやってみなければ始まりませんし、つづけているうちに、面白いポイントにたどりつくものだからです。
それこそが(今後の)脳汁を出すトリガーになるだろう
行動はどんなことでも早いに越したことはありません。
パチンコ以外の趣味は、以下の関連記事にまとめてあるので、こちらもぜひ参考にしてください!
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