ギャンブル依存症や、買い物などの浪費の習癖で、自分の意志に反してお金を借りてしまう。
そんなときのために「貸付自粛制度」という、お金を借りられなくする制度があるのですが、
最終的な「借りれる借りれない」は、カード会社によるらしいんだよな
では、各カード会社の対応はどうなっているのか? じっさいに聞いて調べたので、この記事ではそれをまとめます。
- 貸付自粛制度利用中のカード会社の対応は?
- 貸付自粛制度を利用してもカードが使えるタイミング
今回の調査では、「アコム・プロミス・JCB・三菱UFJ」に聞き取りをおこないました。
その結果からいうと、貸付自粛制度の効果は思ったよりも高く、多くのカードは使えなくなるようです。
ただし、やっぱりカードが使えるタイミングもあって、
貸す貸さないはハッキリとした回答はできない、とする会社もあったので、そのへんをまとめていきます。
うまく利用すれば、借金問題の解決に役立つものなので、ぜひ参考にしてください。
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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そんなときは、借金を減らせるかもぜひ聞いてみてください。
貸付自粛制度の詳細はこちら
貸付自粛制度の「まだ使える」問題
まず、貸付自粛制度とはなんなのかを簡単に説明しておきます。
以下のような仕組みで、お金を借りられなくする制度です。
- 本人が「これ以上お金を借りられないようにしたい」と、制度を利用して申告する
- 貸付自粛のコメントが信用情報機関(カード会社が審査のさいに必ず参照する)に登録される
- 信用情報を確認したカード会社は、新規発行や契約中の貸付をしてくれなくなる
各カード会社は、以下のとおり、信用情報機関というものに加盟していて、
- 日本信用情報機構(JICC)
消費者金融やクレジットカード会社などが会員
- 指定信用情報機関(CIC)
おなじく消費者金融やクレジットカード会社などが会員
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
銀行カードローンなどが会員として登録されている
新規契約時や定期的な審査のさいは、ここで信用情報(どこでいくら借りているかなど)を確認しています。
そこで貸付自粛制度を利用すると、信用情報に「貸付自粛のコメント」が登録されて、
なるほど、お金を借りたくないということですね
と、情報を照会したカード会社は、一定の方針にしたがって、お金を貸してくれなくなるわけです。
貸付自粛制度について-日本貸金業協会(公式HP)
ただ問題なのは、最終的な「貸す貸さない」はカード会社にゆだねられる、という話になっていること。
カードをまだ使える場合もあるなど、同制度を利用しても、思ったほどの効果が得られないこともあるようです。
そこで、そのハッキリしない部分(借りられるのか借りられないのか)をハッキリさせるため、
今回は以下の3種類のカード会社に問い合わせてみることにしました。
- 消費者金融(サラ金)
- クレジットカード会社
- 銀行カードローン
というわけで以下、各カード会社から聞けた対応の方針です。
消費者金融の貸付自粛制度への対応
各カード会社の貸付自粛制度への対応は、まずは消費者金融から聞いていくことにしました。
今回問い合わせたのは、以下の2社です。
- アコム
- プロミス
なぜこの2社かというと、以前私がメインで使っていたのが、この2社だったからです。
完済しても利用者のデータはしばらく残っているようだからな(聞きやすい)
では順番に見ていきましょう。
さきにいうと、プロミスがかなりくわしく教えてくれました。
1. アコム
こちらは、アコム、総合カードローンデスクです
懐かしいなこれ……(番号ポチポチ)
お待たせいたしました、おうかがいいたします
電話がオペレーターにつながったところで、貸付自粛制度への対応について質問しました。
もしかすると教えてもらえないのでは? とも思ったのですが、ふつうに教えてくれて、アコムでは以下の対応になっているようです。
アコムの場合
新規契約 | 貸付自粛制度利用中はその時点でお断り |
契約中の貸付 | 定期審査で使えなくなることもあるが、審査の状況によってはそのまま使える場合も。ハッキリとした回答はできない |
アコムの場合、貸付自粛制度の利用中は、新規契約は不可となるそうです。
これはもうそういうことになっている(自粛コメントを確認した時点で審査落ち)らしく、貸付自粛制度の効果は発揮されるようでした。
ただ、すでに契約している借金については「ケースバイケース」とのことで、借りられる場合もあるようです。
もちろん使えなくなることもあるそうでしたが、使える・使えなくなるは、ハッキリとしたことはいえないとの回答でした。
これは貸付自粛制度の説明にも書かれていることですね
やはり貸付自粛制度には、そこまでの効果は期待できないのでしょうか?
プロミスにも問い合わせてみることにしました。
2. プロミス
つづいて、プロミスでのやり取りです。
すみません、以前利用していた者ですが、貸付自粛制度について教えていただけないでしょうか?
貸付自粛制度ですね。それでは、お客さまの以前登録されていた情報から確認させてください
なるほど、いちおう確認があるのですね。
使っていないのに「以前使っていました」とかテキトーなウソをぶっこいていたら、私はこの時点でおわっていたでしょう。
確認できました。自粛制度にはプロミス独自のものと、一般的なものとがありますが、ご質問はどちらでしょうか?
(プロミス独自のもの?)
聞いた話によると、プロミスには家族・代理人でも申請できる(独自の)貸付自粛サービスがあるようです。
基本的なことは通常の貸付自粛制度とおなじですが、独自のものは、本人以外でも申請できるとのことでした。
また通常の貸付自粛制度については、当社ではつぎの対応となっております
プロミスの場合
新規契約 | 貸付自粛制度利用中はその時点でお断り |
契約中の貸付 | 定期審査で自粛コメントを確認した時点で貸付停止。その後は返済しかできなくなり、借入可能額はゼロになる |
プロミスの場合、新規契約がNGになるだけでなく、すでにある借金の追加融資も停止になるとのことでした。
ケースバイケースとかではなく、自粛コメントを確認した時点でそこでSTOP、という方針になっているそうです。
自粛の希望は、きちんと機能するというわけです!
ちなみにこれは、業界全体の話で、基本的にはどこもおなじ対応になるはずです
他社さまの場合はハッキリとはわかりませんが、加盟している信用情報機関の方針もありますので、消費者金融はだいたい一緒です
「アコム・プロミス・アイフル・モビット」など、大手の消費者金融は、おなじ信用情報機関に加盟しています。
その加盟元には一定のガイドラインがあるので、それゆえに、基本的にはどこもおなじ対応になるとのことでした。
クレジットカードも(加盟はおなじなので)基本的にはそうだと思います
ただ、銀行カードローンは加盟がちがうので、そこは対応が異なるかもしれません
ほとんどすべてをプロミスが教えてくれました。
まとめると、貸付自粛制度を利用すれば、
- 新規契約
- 契約中の借入れ
これらは両方とも、貸付自粛のコメントが確認されれば、借りられなくなる場合が多いようです。
消費者金融での対応は、そのようになっているとわかりました。
クレジットカード会社の場合
プロミスで聞いた話から、貸付自粛制度を利用中の対応は、クレジットカード会社も同様のものと思われました。
なので、聞く必要もないかなとも思ったのですが、
せっかくなので聞いておくことにし、クレジットカードは、ふだん私が使っているJCBに聞いてみることにしました。
貸付自粛制度についてですね、お答えいたします
JCBでは、以下の回答をもらうことができました。
JCBの場合
新規契約 | 申し込み自体はできるが、その後の判定は明確な回答はできない |
契約中の貸付 | 定期審査で自粛コメントを検知すると、ショッピング・キャッシングは使えなくなる可能性がある。ただし明確な回答はできない |
JCBの場合、審査の判定基準などは、外部にはいっさい公開していないそうです。
それもあって、貸付自粛制度を利用中の対応も、すべて明確な回答はできないとのことでした。
利用が止まる場合もあれば、そのまま使える場合もある、と、なんともいえないようです。
当社ではそのようになっております。また他社さまについてもわかりかねます
なるほど、クレジットカードは、なんとなく使えそうな気配もありますね。
これは聞いておいてよかったです
もちろん利用が停止する場合もあるとは思いますが、停止するかどうかも「どちらともいえない」とのことでした。
銀行カードローンの場合
そして最後に、信用情報機関の加盟がちがう、銀行カードローンにも問い合わせてみました。
私は銀行カードローンを使ったことはないのですが、三菱UFJ銀行をよく使うので、こちらに聞いてみることにしました。
貸付自粛制度でございますか。当社では以下の対応となります
三菱UFJ銀行カードローンの場合
新規契約 | 貸付自粛制度利用中はその時点でお断り |
契約中の貸付 | 定期審査で自粛コメントを確認した時点で貸付STOP。その後は返済しかできなくなる |
銀行カードローンの場合もそうなんですか?
ご本人様が自粛を希望されているわけですから、そうなります
銀行カードローンが加盟しているのは「KSC」で、消費者金融・クレジットカード会社とはちがいます。
しかしこの話を聞くに、どうやら銀行カードローンも、消費者金融と同様に強めの対応になっているようでした。
あとはついでに、気になっていたことも聞いてみます。
契約中の場合、自粛の確認までカードは使えると思うのですが、定期的な審査はどのタイミングでおこなわれるのでしょうか?
……そこまではお答えいたしかねます
銀行カードローンはちょっとお堅い感じで、そこまで深くは教えてくれませんでしたね。
ただ、新規も契約中の借入も、自粛コメントを確認した時点で使えなくなるということがわかりました。
おそらくどの銀行カードローンも、基本的にはこの方針になっているんじゃないか?
そのことから、貸付自粛制度は「思ったよりもしっかりと機能する」といえそうです。
貸付自粛制度を利用してもカードが使える条件まとめ
ここまでの話から、貸付自粛制度を利用すれば、「お金を借りられなくなる可能性は高い」ことがわかりました。
クレジットカードはちょっと怪しいですが、消費者金融・銀行カードローンへの効き目は高そうです
しかしそうはいっても、やはり借りられてしまう場合はあります。
そこで最後に、
貸付自粛制度を利用中でもカードを使える条件
これをまとめておくので、最終的な「貸付自粛制度を利用するかどうか」を決める参考にしてみてください。
ここでは4つのパターンを紹介するぞ
1. 自粛コメント反映のタイムラグ
まずは、貸付自粛制度を申請してから、信用情報機関に自粛コメントが反映されるまでの期間です。
この期間は、新規の契約・契約中の借入ともに、いっさいの制限はかかりません。
カード会社側が自粛コメントを確認できないからですね
ですから、貸付自粛制度を申告したあとで、
やばい、これからお金が借りられなくなるぞ
と、急にお金を借りたくなった場合、一気に多額の資金を引き出してしまう危険性があります。
手もとに大金があれば、よけいに散財してしまって、逆に借金を増やす結果になる場合もあるわけです。
以下の記載があるように、そこまでのタイムラグはないものと思われますが、
個人信用情報機関へのデータ反映は、ご本人の意思確認ができた日を含め、3営業日以内に手続きします。
貸付自粛制度について-日本貸金業協会
申告からデータ反映までに時間はあるので、そこには注意が必要だといえるでしょう。
2. 契約中の借金があって審査が入るまで
つぎに、すでに契約中の借金(取引)がある場合です。
この場合、カード会社からの審査が入るまではお金を借りられてしまいます。
これがイチバンの問題かもしれないな
貸付自粛制度を利用しても、制度側からカード会社に自粛が通達されるわけではありません。
カード会社が契約中の貸付をストップさせるのは、あくまで自粛コメントを確認したときです。
したがって、カードを使えなくなるかどうかは、この定期的な審査の「タイミング次第」となるわけです。
これはアコムやプロミスでも確認できました
そしてこの定期的な審査は、そこまで頻繁におこなわれるものではないので、まあまあ借りられてしまう可能性があるのですね。
この定期的な審査を「途上与信(審査)」といいます。一般的には3~6か月に1回などといわれますが、カード会社によってタイミングは異なるようです。
ただこの問題は、貸付自粛制度を利用後に、
- 限度額の増額などを申請する
などして、無理やり審査をしてもらう(自粛コメントを見てもらう)ことでなんとかなるかもしれません。
あくまで可能性の話ですが、定期的な審査を早めてもらうことはできるような気もします。
3. 貸付自粛を自分で撤回したとき
貸付自粛制度は、すべては本人の希望によるものです。
そのため、申請から3か月がたてば「撤回」が可能となっていて、撤回すればまたカードは使えるようになります。
3か月目以降は、また自分の意志の問題になる、ということです
ギャンブル依存症だけでなく、ガマンするのが必要なものには「リバウンド」があります。
3か月目以降、なにかがきっかけでタガが外れてしまえば、3か月ぶんのお金を使ってしまうこともあるでしょう。
カード会社がいくら自粛をくみとってくれても、自分で撤回してしまえば、もう効果なしというわけです。
とはいえ、これにも対策はあるわけだな
より強力な債務整理というものがあって、これを利用すれば、撤回不可で完全に貸付STOPにできます。
この方法は最後にまとめます。
4. カード会社の判断による場合
アコムやJCBがそうだったように、やはりカード会社によっては、貸してくれる場合もあるようです。
また消費者金融には大手以外にも、数多くの中小企業もあります。
- 全国から利用OKのところ
- 地方で営業しているところ
など、ざっと数十社はあって、さがせばどこか貸してくれる場所もある気がします。
信用情報機関に一定の方針があるとはいっても、最終的には、カード会社の判断によるからです。
なので、たしかに貸付自粛制度はなかなか強力なのですが、
抜け道をさがそうと思えば、いくらでもさがせてしまって、制度を利用してもカードを使えてしまう場合はすくなくありません。
リバウンドまでのチャージになってしまうケースもあるでしょう。
ですから、つぎのまとめで、より強力な方法もあわせてチェックしておいてください。
今回のまとめ
- 貸付自粛制度を利用すれば借りられなくなることのほうが多い
- 消費者金融と銀行カードローンは厳しめ、クレジットカードは甘め(?)
- ただし抜け道はたくさんあるので、より強力な債務整理もチェックしておこう
貸付自粛制度の解説記事でも書いてありますが、制度側に問い合わせたときは、ハッキリしない回答が返ってきて、
これ本当に使う意味あるのか?
と、思えてしまうようなものだと当初は感じていました。
しかし各カード会社に問い合わせてみたところ、意外と効果はあることがわかったので、使ってみる価値はあるといえそうです。
自分の意志に反してお金を借りてしまう
そんなときは、貸付自粛制度を利用してみるのもいいでしょう。
利用料金は無料で、簡単に申し込めるので、ギャンブルへの資金を断つなどの対策として検討してみてください。
とはいえ、貸付自粛制度は完全なものではないわけだ
借りられる場合があったり、自分で撤回もできるなど、その抜け道が「迷い」を生じさせます。
そしてこの「迷い」があると、私たちは
行く・行かない、お金を借りる・借りない
を考えてしまうので、ギャンブルなどの依存断ちに失敗してしまうのです。
なので、より強制力の高い「借金を減らす方法」もおすすめです
借金を減らす方法というのは、簡単にいうと、法律の専門家の介入で返済をラクにできる救済措置です。
これを利用すれば、最低5年間はほぼ確実にお金を借りられなくなるなど、より強力な貸付STOP状態をつくれますよ。
借金を減らす方法は、貸付自粛制度の使い方のなかであわせて紹介しています。
制度の申し込み方法などとあわせて、こちらも確認してみてください。
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