私はパチンコ・パチスロにのめり込みがあった元ギャンブル依存症者です
そんな私がはじめて競馬場に行ったときは、正直、なにがおもしろいのかサッパリでした。
ただ、競馬新聞の予想がやたらと当たっていて、そのことだけは強く記憶にのこっていたんですよね。
そこで、競馬新聞を片手に、ふたたび(生活を賭けて)競馬場に乗り込んだときの話をします。
- 競馬で生活費を稼ぎに行け!「船橋競馬場」編
- ~まさに競馬場は『カイジの希望の船』だった~
私の人生のなかで、競馬でギャンブル的な勝負を仕掛けたのは、たったこの一度きりでした。
いってしまえば、人生、最初で最後の大勝負です。
そのときのことを、競馬をやってどうなったのかとあわせてお話ししていきます。
ちなみに、この「船橋競馬場」は後編だ
前編は「川崎競馬場」なので、興味があれば、まずはそちらからどうぞ。
※前編はこちら → ギャンブル依存症が「競馬場」に行った結果【体験談/川崎競馬編】
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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競馬で生活費を稼げ!「船橋競馬場」編
まずは、簡単に「前回までのあらすじ」をまとめておきます
前回までのあらすじ
「いいところに連れていってやるよ」
当時勤務していたお店の社長に連れていかれたのは、川崎競馬場。
そこで私は人生初の競馬となったのですが、なにがおもしろいのかはサッパリでした。
しかしその帰り、社長からもらった競馬新聞を見返してみると……なんと、3連単予想が的中しまくっているではありませんか。
「これは、競馬新聞どおりにやれば勝てるのか?」
そんなことを考えながらも、私はパチンコ・パチスロを打つ生活にもどっていったのです。
それ(川崎競馬)から1年もたたずして、私の生活は一変しました。
働いていた職場を退職することになって、ニート、というか無職になっていたのです!
無職のパチンコ依存症者がやることは、ただひとつ……
そう、パチンコ店に行きまくることでした。
過労死レベルの激務で、パチンコに行く機会なんてほとんどない
そんな生活から解放されて、好きなだけギャンブル欲を満たせるようになったわけです。
それだったら、もう、やるしかありません。
リバウンドもあって、朝から晩まで、ふたたび私はパチンコ店に入りびたるようになっていきました。
でも、そんな生活が長くつづくはずもありません
負けてお金がなくなり、また借金をするようになって……と、生活が立ち行かなくなってきたのです。
競馬で勝って稼ぐしかない
パチンコ・スロットなんて、やればやるだけ負けていくものです。
毎日のように行っていれば、負けもかなりの額になっていくわけで、生活の破綻はもはや目前となっていました。
「無職で収入がない、けれど、まだ働きたくない……」
それでも、以前の職場があまりにも過酷な環境だったため、すぐに働く気も起きません。
ではどうするか?
そこで私は、思い出してしまったのです。
3連単予想が的中しまくっていた競馬新聞……
あれ(※)を再現すれば、手っ取り早く、今後しばらくの生活費を稼げるんじゃないのか?
そうと決まれば、話は早いものでした
ひとりで行くのはつまらなそうだったので、私は近くに住んでいた友人をさそいます。
せっかくなのでちがう場所に行ってみようと、戦場は「船橋競馬場」に決定しました。
そうして、なんとか用意した10万円+伝家の宝刀「競馬新聞」を手に、私は千葉県・船橋市へとむかったのです。
船橋競馬場へ
当日、電車とバスを乗り継いで、船橋競馬場に到着します。
川崎でもそうでしたが、競馬場の入り口付近には、中に入らずに座り込んでいる人もちらほら。
今回は気持ちに余裕をもたせるためにも、最初のレースに間に合う時間に入場しました。
まずは腹ごしらえからでした
友人といっしょに食事をしながら、購入する馬券を決めていきます。
とはいえ、
- 競馬新聞に書いてあるとおりに買えばいいだけ
だったので、なにもむずかしいことはありません。
ちなみに友人はギャンブラーでもなんでもなく、ただ遊びで着いてきてくれただけでした。
ふたりして余裕をぶっこきながらメシを食います。
そしてその後、競馬場内をざっと散策したところで、いよいよ勝負開始となったのです。
…………が。
何レースかおわったところで、怪しい気配がただよいはじめました。
競馬新聞、ここに書かれた3連単予想が、なかなか当たらない。
競馬新聞はガチじゃなかったのか?
なにかがおかしい。どうなっているんだ?
この時点では、まだ3レースを消化しただけでした。
しかし競馬新聞の3連単予想は、かすりもせずで、まるであてにならない結果におわっていました。
とはいえ、勝負はまだ始まったばかりです
「つぎは来るだろう。焦ることはない」
私は愚直にも競馬新聞どおりに馬券を買います。
でも、結果はなにも変わらずで、やはり当たる気配はまったくありません。
「中盤戦以降のどこかで、一気に的中が連続するのか?」
3連単だけでなく、リスクを分散させたほうがいいのかもしれない……。
5~7レースになると、軍資金を温存したほうがいいような気にもなってきます。
単勝や複勝も買うなどして、来たるべきときにそなえます。けれども、これは当たっても微々たる還元で話になりません。
レースを追うごとに、軍資金はどんどん目減りしていきました。
8レース目……これもダメ。
競馬新聞……全然使えない。
で、気づいてしまったわけだ
私「なるほどね……」
川崎競馬場での新聞・予想的中、あれは、「たまたま」だったんだ……。
第9レースをモノにできるか
8レースを消化したところで、私はある事実に気づいてしまいました。
- 川崎競馬場での予想新聞の3連単的中は、すべて偶然だった
あれはたまたまで、そのときの競馬新聞の調子がよかっただけだったのです。
考えてみればあたりまえの話でした。そんなに競馬新聞が毎回当たるなら、みんな勝って、負ける人なんていなくなります。
この時点で、軍資金は7万円ほど消えていました。
策を失った私は、では、どうやって、どのレースで勝てばいいのか?
といっても、超初心者にいい案が浮かぶはずもなく、それでもまだ競馬新聞にたよるしかありませんでした。
でも、そのままおなじことをしていても負けはあきらかだったので……、
よし、第9レースは「◎とか△」とかの馬の調子マークを参考に、買う馬券をしぼろう
私は買う馬券をしぼり、賭け金を上げて、一気に負けを取り返す方針でいくことにします。
ところが……だったんですよね
この「しぼり」が裏目にでてしまいます。
なんと9レース、しぼって購入馬券から外した馬が、3着以内に食い込んでしまったのです。
競馬新聞(の3連単予想)はここで当たった……!
しかも、競馬新聞どおりに買っていれば、これまでの負けを取り返せるくらいの高配当で……。
…………やっちまった。
どう考えても最大のチャンス、これを棒にふってしまった私に、もはや勝ち目はありませんでした。
軍資金を調達して最終レースに備えよ!
しかし、まだ勝負はおわったわけではありません。
「あと3レースある。まだチャンスはある……」
こうなったら、なんとしてでも、この日の負けだけは取り返さなくてはなりません。
のこりの軍資金2万~3万円ほどでは心もとなかったので、ATMでお金をおろすことにしました。
ところが……だ!!
3台ほどあったATMで見たのは、各台にできた長蛇の列でした。
1台に数十人は余裕で待っている。
こんなのにならんでいれば、レースなんて全部おわってしまうと感じるレベルの行列ができていたのです。
「ダメだ、ATMはあきらめるしかない……」
私はのこりの軍資金で10、11レースにいどみます。
しかし勝機をのがした人間にツキがもどってくるはずもなく、ただ終盤を消化していくだけでした。
そしてむかえたラストレース、私はのこりの軍資金約2万円のすべてを、3連単にぶち込みました。
「当たれば全部まくれる……はず」
当たれば…………
「…………」
馬がゴールすると同時に、馬券を宙に放り投げるお客さんたち。
投げ捨てはしなかったものの、結果は、私も彼らとおなじでした。
こうして、生活を賭けた船橋競馬は、ほぼ全敗でフィニッシュとなったのです。
まさにカイジの「希望の船」じゃないか
私と友人は無言で、船橋競馬場から出ました。
友人はちょっと勝ったそうなのですが、私がひどいやられっぷりだったので、声をかけづらかったのでしょう。
競馬場の入り口には、来たときに見た、座り込んでいる人がまだ何人かいました。
「これからの生活どうするかな……。働きたくねえ…………」
そんなことを考えながら、送迎バスを待ち、バスが来たので乗り込みます。
車内は、川崎競馬のときに感じた負のオーラが、またただよっているように思われました。
まるで「カイジ」だよな。行きのバスはみんな希望に満ちてるのに、帰りの顔はみんな死んでる
以前、競馬場に行ったときに、連れてきてくれた社長が言っていたことが思い返されます。
まさにカイジの「希望の船」でした。
とくに私なんて、勝てる確信があって、あれだけ行きはイキイキとしていたのに、いまはこのザマです。
このあとに待っているのは(生活のための)強制労働で、このバスこそが、私を地下施設へと連れていく奴隷船でした。
また、社長がこんなことを言っていたのも思い出しました。
競馬場の入り口付近で座って、イヤホンしてラジオ聞いてる人が何やってるかわかるか?
あれは入場料の100円すらケチって馬券を買ってるんだろうな。競馬場の雰囲気だけ楽しんでるんだろ
……地獄だな、競馬場。
私の競馬での大勝負は、結局、なにも得られることはなく決着となったのです。
競馬場に行った結果まとめ&その後
- 競馬新聞の予想はいうほど当たらない
- ギャンブルは負けると負けを取り返したくなる
- 結局のところ競馬は勝てなかったからハマらなかった?
川崎競馬、船橋競馬とやってきたわけですが、その2回とも負けました。
しかもこのあと、すぐに働かざるをえなくなって、(焦って仕事を決めたせいで)そこでも失敗してしまったんですよね。
なので、ほんとうにイヤな記憶しかありません。
また競馬場に行って思ったのは、ギャンブルは「負けると負けを取り返したくなる」ということ。
ギャンブルそのものの話で、おもしろい・つまらないは関係ナシだ
どのギャンブルでも、ある程度負ければ、そのぶんは取り返したくなるものなのでしょう。
なにも知らないド素人の私は、いいカモでしかなく、こんな勝負はするべきではなかったのです。
そして最後に、いちばん大事な話です
パチンコ・スロットに依存していた私は、競馬にはハマりませんでした。
ギャンブル依存症といっても、レース系のギャンブルには、いっさいハマることはなかったのです。
では、それはなぜなのか?
結局のところコレは、レース系では、1回もまともに勝てなかったからでしょう。
成功体験がいちどもなかったので、ハマれるはずがなかったのです。
もちろん、好みの問題もあったと思うのですが、やはり「いい思いをしていない」は、ハマれなかった要素になっていると感じます。
例の第9レース、あそこでスゴイのが決まっていれば、もしかしたら話は変わっていたかもしれません
逆に決まらなくてよかった気もするのですが、とにかく、
- ハマるのか、ハマれないのか?
- 依存するのか、依存しないのか?
これには、成功体験も大きくかかわってくる気がします。
その後、ウインズに何回か、大井競馬場にも1回だけ行きましたが、それらもほぼダメでした。
おもしろさがわからず、勝てる気もせずで、やったのはほんとうに遊び程度です。
もちろん、成功することも、ハマることもありませんでした。
で、その「ハマるハマらない」がなんだっていうんだ?
という話なのですが、これは私に、
ギャンブル依存症といっても、すべてのギャンブルに依存するわけではない
とする考えがあって、
- その依存するしないは、じつは成功体験のあるなしが大きいのでは?
- 競馬場での経験は、そのことを実証するひとつの根拠になっているのでは?
と、あとになって思った、ということです。
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