ハア~、アイツはもうダメだわ。見捨てるしかないわね
彼氏や旦那さんが、パチンコなどのギャンブルばかりしていると、突き放したくなってしまいますよね。
でも、もしかするとパートナーさんは、やめたくてもやめられない状態におちいっているだけなのかもしれません。
そう、ギャンブル依存症という「病気」になっている可能性があるのです。
- ギャンブル依存症とは?
- 知ってあげてほしい! 当事者に起きている6つのこと
- パートナーのギャンブル問題を解決するには?
結論からいうと、ギャンブルに依存症状がでてくると、コントロールは完全に不能になります
そして本人は、その問題をだれにも相談できず、ひとりで抱え込んでしまっている可能性がきわめて高いと思います。
この記事では、そのような意思表示ができない本人のため、元依存症の私が本人の声を代弁します。
パートナーにかぎらず、家族(息子や娘)や、友人の場合にもあてはまる話です。
どうぞ最後までごらんいただき、身近な大切な人とのあいだで起きている、問題解決の参考にしてみてください。
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
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ギャンブル依存症って何なの?
まずはコイツからみていこうか
ギャンブル依存症とはなんなのか?
これは簡単にいうと、つぎのような状態になっている「精神的な病気」です。
くりかえされるギャンブル行為によって、ギャンブルが他人との関係や社会生活、仕事、経済的利益、家族との関係に問題が出るほどに、本人の生活を支配している場合のこと。
WHO(世界保健機関)でも定義されているもので、医学的には「病的賭博」とよばれています。
ようは、生活がめちゃくちゃになっていようとも、本人の意思ではギャンブルをやめられなくなってしまっている状態です。
でもパチンコ・スロットとかでしょ? やっぱり意思の問題じゃないんですか?
これは、おそらく100人中ほぼ100人がそう思うことでしょう。
しかし私の経験からも、ギャンブルへのコントロール不能状態は、意思の問題ではないといえます。
それをたとえるなら……、
家に帰っているとき、超おいしいケーキ屋さんの「新作」を見つけたとしようか
- 外から見えるショーケース
- そこにキレイにならんだ新作のケーキ
- ただよってくる美味しそうな匂い……
こういうのって、ダメな日でも、やっぱりガマンできないときはありますよね?
ギャンブル依存症は、そのガマンできないが、壊滅的に(病的に)不可能になっている状態です。
ケーキ屋さんの新作(パチ屋)が“つねに”頭のなかにあって、
見た・匂いをかいだ(考えた)瞬間、体が勝手に動いてお店に入って(行って)しまう……
まさにそんな感じです
甘いものがそんなに好きでなければ、あまりピンとこないかもしれません。
が、とにかく、「世界が滅んでもオレはあのケーキ屋に行く!」みたいな状態になっているのが、ギャンブル依存症です。
当事者が考えている(本人に起きている)6つのこと
ちょっとアレなたとえ話になってしまいましたが、ギャンブル依存症は深刻な病気です。
- すべての優先順位が逆転し、ギャンブルが頂点になる
- 人が泣こうがわめこうが関係ない、ギャンブルができればそれでいい
- ギャンブルのためならどんな手を使ってでも金は用意する
家族・友人との関係が崩壊するだけではありません。
うつを併発することも多く、本人の自殺率が高いことでも知られています。
では、そんな本人は、いったいなにを考えているのでしょうか?
ここからは、本人の口からほとんど語られることはないであろう、
- 当事者が考えている4つのこと(+起きている2つの問題)
これをお話しします。
対策はそのあとで紹介するので、まずはこちらからごらんください。
1. 話をしてもだれにも理解されない
まず、ギャンブル依存症の当事者は、「話をしてもだれにも理解されない」と思っています。
最初に「これは精神的な病気で、自分の意思ではコントロールできない……」という話をしました。
そのとき、正直、
はぁ、そうですか。……でもホントにそうなんですかね?
と感じたと思います。
それもあたりまえの話で、はたから見れば、本人はギャンブルに興じているとしか思えないからです。
そしてその「はたから見れば興じているとしか思えない」というのは、本人もわかっています。
だから当事者も、いっても理解してくれないだろうと、問題をひとりでかかえこんでしまうのですね。
じっさいに私も、近しい人に相談できたことは、ほぼありません
いちど、精神的なことで体調不良を起こしている知り合いに、相談を受けていたとき、
「じつは自分も、ギャンブルがやめられなくて……」
みたいなことをちょっと話したら、鼻で笑われたことがあります。
なにがギャンブル問題だ、ふざけるなと。こっちはもっと深刻な話をしているんだぞと。
そういった理解されない経験もしていれば、なおさら、問題を打ちあけられなくなってしまいます。
親でも理解してくれないようなことなので、しかたがないのかもしれませんが……まあ本人からしたら孤独ですよ。
2. だれからも協力を得られない
だれにも理解されない……ということは、「だれからも協力を得られないと思っている」でもあります。
おそらく、どこかのタイミングで当事者は、
自分ひとりの力ではもうどうにもならないんじゃ……
と、考えたことはあるはずです。
でも、問題の解決に協力してほしいと思っても、それをいいだすことができません。
そもそもきちんと理解してくれる人なんてまわりにいないので、協力の要請もなにもないからです。
これは私の経験からもいえますが、ギャンブル依存症は重症化すると、自分ひとりの力での解決は不可能です
問題を解決させるには、人の力を借りるしかないのですが、
- 相談はできない
- 協力の要請もできない
となれば、事態が好転するはずもありません。
だからパチンコ・スロットなどがやめられず、おなじことが、ただひたすら繰り返されてしまうのです。
3. 本当はパートナーにこそ助けてほしい
ギャンブル依存症の当事者は、奥さん・彼女さんからの助けを心の底では欲しています。
自分のことをいちばん理解してくれるであろうパートナーにこそ、助けてほしいと思っているのです。
ただこれも……っていう話なんだな
ふつうは言っても理解されないので、助けを求めることができないのですね。
また助けを求めたとしても、
自分でなんとかしてくださいよ
と、突き放されてしまうことも多く、そこでも問題を解決できなくなってしまいます。
人の協力が必要不可欠なのに、いちばん信用している人もたよれない……。
そうなると、もうどうしようもできなくなってしまいます。
4. 根本的な原因は「脳の変化」が関係している
またこれは当事者に起きていることで、ギャンブル依存症は「脳が変化」することで知られています。
- 優先順位が逆転する(一番はギャンブル)
- 興味関心がすべてギャンブルに集中してしまう
そうして依存状態になってしまうのは、じつは「脳」に問題が起きているからでもあるのです。
なに、どういうことだ?
そもそもの話をすると、ギャンブル依存症は、つぎのようにして進んでいきます。
- ギャンブル行為で脳が快楽を感じる → 快楽への欲求が生じる → やれば満たされる
- しだいに快楽への耐性ができていく(おなじ刺激では満足できない) → ギャンブル行為に際限がなくなっていく
このように問題が進行していくなかで、脳が「ギャンブル脳」になってしまう。
そうすると、なんと当事者は、ギャンブルにしか興味を持てなくなってしまうのです。
この話は研究であきらかになっています。
左がギャンブル依存症者で右が健常者の脳です。依存症者は、ギャンブル以外のことへの刺激に脳が反応しづらくなっています。
その一方で、ギャンブルに対しては、脳が過剰に反応することがわかっています。
ようするに「意思の問題」じゃなくて「脳に問題」があるんだな
ギャンブルをガマンできないのは、司令塔(脳)がやられてしまっているから。
だから、本人の意思ではどうにもならなくなってしまうのですね。
5. 本人もギャンブルをやめたいと思っている
じつは本人も「ギャンブルをやめたい」とは何度も思っています。
たしかに依存症でも、パチンコ・パチスロなんかのギャンブルをやると、スリル・興奮は味わえます。
でも、ほぼほぼ負けるので、後悔するパターンのほうが圧倒的に多いんですよね
そうすると、家に帰ったあとで、「もうギャンブルなんてやめたい」と考えるわけです。
もうやめよう、今日でやめる。
妻の、彼女の、家族の、子どもの悲しむ顔なんて、もう見たくない。
ところが、残念なことに、そんな意思は長続きはしません。
3日もすれば決意はうすれ、どうしても行くのをガマンできず、また行ってしまうのです。
それでまた後悔して……の繰り返しなんだな
ようするに、本人も苦悩しているということです。
はたから見れば「興じているだけ」ですが、本人からすれば「やめたいのにやめられない」地獄です。
6. 本人が病気だと認識していない場合は多い
最後に、これも当事者に起きている(やっかいな)問題です。
本人もやめたいと思っている……。
けれども、本人がギャンブル問題を自覚できていないケースがあって、しかもこのパターンはけっこう多いです。
依存症は「否認の病」ともいわれます
ようするに「自分で問題を認めない」ということ。
だから、やめたいと思うことがあっても“そう思うだけ”で、多くの人は、本気で行動には移せないのですね。
じゃあどうするんだ?
そういったときの対策もふくめて、つぎは問題の解決策を見ていきます。
突き放す前にしたい!ギャンブルをやめさせる方法
ここまで、当事者がかかえるギャンブル問題を見てきました。
それをふまえて、最後に解決策を提示していきます。
ここでは以下の4つを紹介します
- まずはお互いが真剣に話し合う
- 本人に相談機関や自助グループを利用させる
- 借金問題がある場合は本人に解決させる
- 自分も自助グループに参加してみる
それぞれ補足していくので、いっしょに見ていきましょう。
1. まずはお互いが真剣に話し合う
まずすべきは、おたがいが真剣に話し合うことだと思います。
これまで見てきたとおりで、おたがいの心境は、おそらくつぎのような感じでしょう。
- 自分:理解できない
- 相手:理解してもらえないと思っている
でもこれでは、いつまでたっても問題は解決しません
ですから、なんとか相手のことを理解しようと、感情的にならずに話を聞いてあげてみてください。
「自分は協力してあげられるよ」と、仲間であることを示してあげてください。
そうすれば、きっと本人も、これまで胸のうちにあったものを打ちあけてくれるはずです。
もっとも、さきほどもお話ししたように、本人が問題を自覚していないパターンもあります。
そのときは、つぎのようにして、相手に「ギャンブル依存症を認知させる」のが重要かと思います。
- 自分の稼いだ金をどう使おうが勝手だ
- こっちにまで迷惑がかかってるよ。家に入れるお金は? デート代は? 自分たちはふたりなんだから勝手じゃないよ
- 自分はやめようと思えばいつでもやめられる
- やめられてないから問題になっているんじゃないの? じゃあためしに1か月間やめてみてよ。それができるの?
- ギャンブルは問題だったかもしれないが、それは仕事や家庭がわるい
- ほんとうに自分に責任はなかったの? ほかに問題があるなら一緒に解決していこうよ。人のせいにしてギャンブルに逃げちゃダメだよ
- すべてはギャンブルという存在がわるい
- ならギャンブルなんてもうやめようよ。そんなものなくても生きていけるよ
あおる感じではなく、腰をすえて、しっかり話し合うのがいいと思います
それでも本人が問題を自覚しないときは、しばらく距離を置くなどするしかないかもしれません。
「底つき」といって、本人が限界を感じるところまでいけば、さすがに心を開いてくれるはずです。
2. 本人に相談機関や自助グループを利用させる
話し合いで本人が問題解決への決心をしたなら、相談機関や自助グループを利用させましょう。
「やめる」の意思だけで解決できる問題ではないからだな
おすすめなのはつぎの2つで、
- RSN:無料で電話相談ができる。くわしく話を聞いてくれて解決策を提示してくれる。対面相談の利用もできる
- GA:当事者が集まる自助グループ。オフラインミーティング(会合)を実施していて、こういった会合への参加はもっとも有効な解決策ともいわれる
可能なら両方とも利用させたほうがいいでしょう。
まずは自宅からも利用できるRSNがおすすめです
電話代だけかかってしまいますが、最低でも1回は利用する価値はありますよ。
RSN公式:http://rsn-sakura.jp/
GA公式:http://www.gajapan.jp/
3. 借金問題がある場合は本人に解決させる
借金問題がある場合、それは本人に解決させるようにしましょう。
ある調査では、最低でも約9割に借金があったというほどに、当事者は借金をしていることが多いです。
(参考:パチンコでの借金平均はいくら?)
内緒で借金をしていたり、自分の親から借りていたりもあります
ですから、借金があるのなら正直に答えてもらい、返済を進めていきましょう。
注意点としては、借金の肩代わりはしてはいけないってことだな
ギャンブルの借金の肩代わりは、じつは多くの家族が経験していて、1000万円以上もふつうにあることがわかっています。
ギャンブルでの借金は、自分で解決することがケジメにもなると私は感じています。
以下の方法を見せてあげるなどして、いっしょに完済を目指してみてください。
自力での返済がむずかしいときは、借金を減らして返済をラクにする手段もあるので、これもおすすめですよ。
借金を自力で返済するコツ
借金を減らして返済をラクにする方法
4. 自分も自助グループに参加する
あとは自分も自助グループに参加するのもいいと思います。
当事者向けのGAがあるように、家族向けの「GAMANON:ギャマノン」という自助グループがあります。
なにをするのかというとだな
当事者の家族・友人が集まって、おたがいに話をしたり聞いたりします。
悩みや苦しみをわかちあい、先に進む勇気と元気を、全国にいる仲間からもらうのですね。
匿名OKで、費用もいちおう無料です(献金制)
近場に会場があれば、参加してみる価値はあるはずなので、こちらもチェックしておきましょう。
あとは「ギャンブル依存症問題を考える会」というところも有名です。
多少の費用はかかりますが、家族相談会も開催しているので、こちらも確認しておくといいでしょう。
代表者(本人も依存症を経験)が出している本は評判もよく、これも一読してみる価値はあると思いますよ。
今回のまとめ
- ギャンブル依存症は精神的な病気
- 本人も助けを求めているが、いいだせないだけ
- 話し合って具体的な対策を打っていくことが問題解決につながる
ギャンブル依存症の当事者を突き放すのは、いってしまえば簡単です。
「コイツはもうダメだ」と、お別れをすればいいだけだから。
でも本人は、きっと、そんなことは望んでいないんですよ
たしかにギャンブルにとりつかれていて、ひとりになりたくなることはあります。
しかし心の底では、なにがほんとうに大事なのかはわかっています。ただそれを、忘れてしまっているだけなのです。
ギャンブルによって、家族やパートナーの大切さを忘れさせられているんだな
ですから、その「なにがほんとうに大切なのか」を、ぜひ思い出させてあげてください。
それができるベストな存在は、やっぱり、当事者のパートナーさんなのではないかと私は思いますよ。
本人がとるべき対策は、ここでは書き切れない量を当ブログでまとめています。
そういったものは、(本人に)記事を見てもらったほうが早いので、紹介してあげてください。
ひとまずいえるのは、重度のギャンブル依存症でも、克服することはできますよ。
家族向けの対策まとめ
借金問題の解決策まとめ
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