私はパチンコ店・スロット専門店で、通算すると4年は働いていた経験があります
そんな職場でもあったパチ屋で、数々の出入り禁止(出禁)になった人たちを、この目で見てきました。
- 負けたお金を取り返すために人のお金を盗もうとする人
- 負けたイラだちから遊技台や店舗施設に八つ当たりをする人
- そもそも遊技目的ではなく、最初から人のお金を狙った犯罪行為目的で来ている人
パチンコ屋は「犯罪の温床か」と、思わざるをえないこともありました。
ただ、パチンコ店にいると魔が差してしまう心境も、元依存症の私にはよくわかるわけで……
そこでこの記事では、
パチンコ店を出禁になれば、もうそんなこと(八つ当たりや犯罪被害)にかかわらなくてすむ
との依存対策的な考えにもとづき、「なにをしたらパチンコ店を出入り禁止になるのか」を実例から紹介していきます。
またパチンコ店を出禁になるには、基本はお店のルールをやぶる必要がでてきます。
このルールもあわせて解説しておくので、どうぞお好きなほうからごらんください!
ミナト
10代で行った初めてのパチンコで大勝し、パチンコ・スロット漬けの日々へ。借金を重ね、多くを失い、10数年もの間ギャンブルをやめられなくなる。しかし他者の力も借りて依存症を克服。その経験をもとに依存からの脱出方法を発信している。併設店・専門店での従業員経験もあり。>> プロフィール詳細はこちら
借金があってお困りの方へ
パチンコ・スロットの借金でお困りではないですか?
じつは借金は、それ自体を減らして返済をラクにすることができます。借金の原因がギャンブルでも大丈夫です。
いまの借金をどれだけ減らせるかは、「無料の借金減額診断
利用するのはタダなので使って損はないですし、逆に知らないままにしておくのが損になってしまいます。
- 返しては借りてをくり返している
- 1年以上借金があって完済のめどが立たない
そんなときは、借金を減らせるかもぜひ聞いてみてください。
パチンコ店のルールと風営法
ひと昔前なら、パチンコ店に子ども連れのお客さんがいたりもしたほどに、お店のルールはゆるかったように思います。
たしかその子どもも、一緒に打ってたような気がしたんだよなあ……
しかし現在のパチンコ店では、そんなことは許されません。
法律の改正などによって、かなりきびしいルールが設けられるようになったからです。
パチンコ店のルールには、おもに以下の3つがあって、
- 法令(風営法)で定められたパチンコ店が守るルール
- 遊技者が守らなければならない全店に共通するルール
- それぞれの店舗が定めた店舗独自のルール
たとえば「①パチンコ店が守るルール」には、以下のようなものがあります。
- 18歳未満の入場、20歳未満への酒・たばこの交換は禁止
- 貸し玉は1玉4円、貸しメダルは1枚20円が上限(消費税は別)
- 換金行為への関与や、客引き行為はしてはならない
- 遊技には遊技者の「技術介入」がなければならない
- 天国調整やモーニングサービスなどの広告・宣伝はしてはならない(入賞が簡単または設定状況を示すような表示はNG)
そのほかでは、「営業時間、音や振動・照明、景品の種類、遊技台の規制」など、法令で定められたものをあげれば切りがありません。
お店の従業員に、「(景品)交換所はどこですか?」と聞いても、基本的には教えてくれないですよね?
皆さんは「あちらのほう」に行かれますね……
とかいって。
あれも、パチンコ店側は換金行為への関与が禁止されている、つまり交換所の場所を教えてはいけない決まりになっているから。
けっしていやがらせで教えてくれないわけではないのです。
また、そもそもの話、パチンコ店では「三点方式」という方法によって、換金はおこなわれていないことになっています。
それと似た話で、設置台における遊技者の「技術介入」というものもあるのですね。
これ(技術介入)もまたしょうもない抜け道のような話になるんだが……、
パチンコ店のルールに関係することとして、ついでに見ておきましょう。
三点方式はこちらで解説してあります
技術介入性によって「遊技」となるパチンコ・パチスロ
法律的にいうとパチンコはギャンブルではなく「遊技」。
これを可能としている「技術介入性」の仕組みも解説しておきます。
(※ここは余談なので、さきに進みたいときはパチンコ店での禁止行為までジャンプしてください)
そもそも賭博(ギャンブル)とは、さきをいっさい予見することができない「偶然の結果」に金品を賭けることをいいます。
いまから投げるコインの裏表を当ててください
コインの裏表はどこまでいっても「50:50」です。
この結果を予想することはまずできないので、やるとなれば、完全な「運任せのギャンブル」となりますよね。
では、それとはちがって、ある程度さきの結果を予想できた場合はどうでしょうか?
この台に座れば必ず勝てますよ……
これから起こるであろう結果が、「なんらかの要素」によって、事前に多少なりとも予想できる。
そうなると、それは「偶然の結果」ではなくなるため、運任せの賭博ではないと解釈することもできますよね?
そこで出てくるのが、この「技術介入性」です。
遊戯に技術介入の要素が加わり、遊技者の「技量によって遊技の結果が変わる」なら、それは結果を「予見できる」ということができます。
- パチンコのハンドル操作
- スロットの目押し
こういった技量の優劣(うまい・へた)は、勝負の結果をある程度は左右させる。
よって、「技術介入性」のある(勝率を上げることもできる)パチンコはギャンブルではない、としているわけです。
なにを言っているんだ……?
三点方式と同様、わけのわからない屁理屈にしか聞こえないのですが、法律上はそういうことになっています。
そういうのもあって、パチンコ店の営業は(賭博ではなく遊技として)認められています。
店員がスロットの目押しをしてくれない理由
技術介入に関する話として、スロットの目押しサービスも補足しておきます
パチンコ店の従業員は、ある時期からスロットの目押しをしてくれなくなりました。
これも「面倒くさいから」とかではなく、きちんとした理由があります。
- 遊技者の技術介入に従業員が関与する
これが法令に抵触するおそれがあるためです。
こういったこともあって、従業員のサービスとしての、
「パチンコの代打ちやスロットの目押し」
は、基本的には禁止となっているのですね。
今後は目押しができない人がいたら、原則として、ほかのお客さんにやってもらうしかない、ということです。
せちがらい時代になったんだな
パチンコ店での禁止行為(全店共通)
法律や条例(ルール)に違反してしまうと、最悪の場合、パチンコ店は営業停止などの行政処分を受けることになります。
そういったこともあるので、現在はきびしいルールをパチンコ店は順守しています
また、パチンコ店が法令でのルールを守るのと同様に、遊技者も、店側が定めたルールを守らなければなりません。
店側のルールで、遊技者が守らなければならないのはつぎの2つで、
- 全店に共通するルール
- 店舗独自のルール
たとえば、全店に共通する遊技者むけのルール(禁止事項)には、以下のようなものがあります。
- 台を叩いたり乱暴に扱う行為
- 店内での飲酒行為
- パチンコやスロットの交換率(換金率)を聞く/交換所の場所を聞く
- 出玉の持ち出しや持ち込み
- 落ちている出玉を集めて交換
- 落ちているICカードを拾って清算
- 台の掛け持ち遊技/出玉や私物を置いて長時間台を離れる行為
店舗独自のものはこのあとで見ることにして、ここでは、全店共通のルールを一部補足しておきましょう。
交換率や交換所の場所を聞く
まずは気になる「③交換率、交換所の場所を聞く」だな
これは遊技者が禁止されているというよりかは、パチンコ店側が法令によって答えるのを禁止されている内容です。
したがってこれは、「聞いても教えてもらえない」といったほうが正しいでしょう。
出玉の持ち出しや持ち込み
また「④出玉の持ち出し・持ち込み」ですが、
- 出玉はお店で借りているもの
との理由から、店外への持ち出しは禁止されています。
それと同様に、他店の出玉などを持ち込んで使用し、あらたな出玉を取得しようとするのも禁止です。
よほど悪質(※1)でなければ、とがめられることもないのですが、
両方ともこの行為は、「窃盗罪」に問われる可能性もあるので注意しましょう。
(※1)たとえば、以下のようなものは完全にアウトです。
- 中古で買ったメダルを持ち込んで使う
- 5スロのメダルを20スロで使う
ただし他店で残ったメダルを2~3枚使うくらいなら、たいがいは見逃してくれます。
落ちているICカードを拾って清算
あとは「⑥落ちている(または取り忘れの)ICカードを拾って清算する」。
これも立派な犯罪行為で、人が席を立ったすきに、サンドからカードを盗んでいくやからもいます。
落ちているものを拾って持ち帰ることを、よく「ネコババ」といいますよね
じつはこれ、「遺失物横領罪・窃盗罪」などの罪に問われる可能性もある行為なのです。
もし落ちているICカードを見つけたとしても、
- 出来心で……
- 魔が差してしまって……
とかで、持って帰らないようにしましょう。
被害者から連絡があった場合、監視カメラで確認されるなどして、ほぼ確実に店側からマークされますよ。
ちなみに、私は席を立ったすきに、残高あり(しかも9000円)のICカードを盗まれたことがあります。
パチンコ店での制限事項・禁止事項(店舗独自)
つづいては、店舗独自のルールです
これはパチンコ店ごとに決められた、いわば「ローカルルール」なので、お店によっても異なります。
が、だいたいはどこも一緒だと思っていてまちがいはありません。
店舗ごとの、遊技者むけのルール(制限または禁止事項)には、以下のようなものがあります。
- パチンコ店への飲酒後の入場
- 出玉の共有、出玉を持っての台移動
- パチンコでの変則的な打ち方
- スロットでの小役カウンターの使用
- 動画や写真の撮影
これも一部補足しておきます。
パチンコ店への飲酒後の入場
「①お酒を飲んで酔っている状態でパチンコ店に入場する」のは、ほとんどのお店で禁止されています。
これは、ただでさえトラブルが多いパチンコ店に、お酒が入っているお客さんが増えれば、
よけいに大変なことになるのが目に見えているから
だと思います。
それから、パチンコ店内での飲酒については、風営法に関する都道府県の条例のなかに、
「営業所内で客に飲酒をさせないこと」
という条文があり、これは多くの都道府県でも定められています。
よって基本的には、どこも「お酒は禁止」と考えておいたほうがいいでしょう。
持ち込みだけなら問題はないですが(たとえば買い物帰りなどで)、いずれにしても、飲んだらアウトということです。
パチンコの変則打ち(止め打ち、捻り打ち)
「③パチンコでの変則的な打ち方」ですが、これはちょっとおかしな話でもあります。
さきのとおり、パチンコ店は賭博ではなく遊技として運営するために、遊技者の「技術介入」がなければならないとしています。
そんななか、この変則打ちは、お客側の技術介入と考えられるのですが、なんとそれを禁止しているパチンコ店もあるのです!
変則打ちというのは「止め打ち、ひねり打ち」といったやつですね。どちらかというと、禁止しているお店のほうが多いような気がします。
それ(技術介入禁止)をしたら、ただのギャンブルじゃないかって話なんですけどね
「結局『技術介入性』なんてのは、建前だけなのか?」と。
ただ、これに関しては、
法令うんぬんよりも、店側が禁止しているハウスルールにはしたがってくれ
というのが現状のようです。
結局のところ、お金がからんでいるので、店側に不利な条件は禁止にしたりもするわけです。
「三点方式」でお金のやりとりは「ない」ことになっているので、そっちが生きていればとりあえずはOK、ということなのかもしれません……。
動画や写真の撮影
「⑤動画や写真の撮影」も、ひと昔前であれば、そんな話は聞いたこともありませんでした。
しかしながら、
- 風営法改正による規制の強化
- 動画撮影者の急増
などによって、動画・写真撮影が禁止となっているホールは増えています。
これは、つぎのことがおもな理由だと思います
店内を見られたくない、または見られたくないものが置いてある店舗は、動画像が外に漏れるのをいやがる
じっさい、私が以前働いていた店舗でも、
店内のPOP(ポップ)とか、マイクの使い方よくないですよ
と、警察から注意されたと聞いたこともあるので、やはりそういうことなのだと思います。
それ以外では、ほかのお客さんの肖像権(プライバシー)ですね。
撮影された画像にほかのお客さんが入ってしまい、それをそのままネットに上げるなどすると、問題(権利の侵害)となることもあります。
そういった理由から、店舗によっては、動画だけでなく写真の撮影まで禁止としているのでしょう。
いちおう写真も確認をとっておいたほうがよさそうだな
ケチをつけられて出禁になる可能性もあるので、これにも注意したほうがよさそうです。
パチンコ屋を出入り禁止になった人達の理由と行為
パチンコ店には、店側・遊技者側と、それぞれが守らなければならないルールがあります。
これに違反すると、店側は条例などでペナルティを受けるわけですが、では、遊技者側へのペナルティはなんでしょう?
そう、パチンコ店を出入り禁止になる可能性がでてくるのですね
遊技者がルールを守らない、または意図的にやぶった場合、そこまで問題にならないことなら、店側も大目に見てくれるケースはじっさい多いです。
しかし、そうはいっても、
- 常習的にルール違反を繰り返している
- ルール違反の程度がひどい
- そのルール違反は完全に(法的にも)アウト
となると話はべつで、パチンコ店側の判断で「出入り禁止」となることがあります。
ここまでの例でいうと、以下のようなことがパチ屋を出禁になる理由となります。
- 台を叩く、モノを壊す、などの暴力行為
- 出玉の持ち出しや持ち込み(程度がひどいもの/場合によっては犯罪)
- ICカードを盗む、拾って清算する、などの置き引き
- 飲酒後の入店、出玉の共有、などのハウスルール違反
- 変則打ちなどのプロとみなされる行為(勝ちすぎ)
また以前、抽選券の譲渡で友人が出禁に……といったコメントをいただきました。
抽選券を売る・譲る行為は、
- 不正入場(いわゆる「引き子/並ぶだけのバイト」を使っていい台をとる)
などにもつながるので、禁止しているお店も多いです。
こういった店やお客さんの不利益になることは、どれも出禁になる可能性があります。
軍団でいい台を独占する、などのプロ行為も、結局は店やほかのお客さんの不利益です。
ですから、プロを出禁としているホールは多いのですね。
また出禁となった場合、基本的にそれが解除されることはありません。
いつまでも出禁のままで、期間とかもなく、今後はそのパチンコ店に行くのは不可能となります。
そんなわけで、情報が出そろったところで、こんどは実例だ
ここからは、私が従業員時代に見てきた・聞いてきた、その手のアウトな事例を紹介していきます。
全部で5つあるので、どうぞごらんください!
1. パネルクラッシャー(器物損壊)
これは、とある併設店での、新装開店当日の話です
私がアルバイトをしていたパチンコ店で、朝イチからスロットの新台に座り、遊技をはじめた男性客がいました。
新台解放日は「出る」。
これはパチンカー・スロッターにとっては「暗黙の了解」であって、男性客は意気揚々と0回転から遊技を開始。
ところが、これが、まあ当たりません。
完全告知系の当たりは軽い台でした。
にもかかわらず、なかなか当たらずで、気づけばあっというまに朝イチからノーボーナスで1000ハマりに到達してしまったのです!
ガセ台だったんだな(設定的な意味で)
新台+完全告知でまさかの「オハセン(おはよう1000回転)」で、もちろん天井救済はなし。
心中を察するに、かなりトサカにきていたのでしょう。
4万円ほどを使いきったところで、その男性客は……、
思いきり右手を振りかぶり、なんと、スロット台のパネルに渾身の右ストレートをあびせたのです!
……!!!
するとどうでしょう、スロット台のパネルは、もののみごとに割れてしまって……!
男性客も、そこまでするつもりはなかったのかもしれません。
あわててその場を立ち去ろうとしますが、そのようすを、ちょうど監視カメラで見ていた社員によって捕まってしまいます。
男性客は初め、
……なんのことでしょうか!?
などと、「知らぬ存ぜぬ」の態度を取りつづけていました。
しかし、監視カメラに一部始終が映っていたので結局は行為を認め、最終的には
- 「スロット台を壊した」
という理由で出入り禁止となりました。
聞いたところによると、台の修理代も請求されたらしいのですが、負けた金額以上を請求されたのは、もはやいうまでもありません。
スロット台のパネルはネタじゃなくてガチで割れる。
2. つば吐き男(軽犯罪)
パチンコで負けるとかならず、腹いせにつばを吐いていく男性客がいました。
いるんだよなあ……
階段などにつばを吐いていく人は、じつは一定数いました。
が、その男性客は、堂々と店内につばを吐いていくため、以前からマークされていたのです。
店内につばを吐く人(行為やツバ自体)が目に入ってしまえば、関係ない人はイヤな気分になります。
これはパチンコにかぎった話ではないですが、
- ほかのお客さんの迷惑になる
- まわりの人を不快にさせる行為をする
という人は、入店を断られてもしかたがありません。
けれども、そんな店側の思いはよそに、つば吐き男の行為はエスカレート。
ついに社員が見ているまえでつばを吐くという挑発的な暴挙に出たため、つぎにやったら出入り禁止にすると忠告されてしまいます。
ふつうなら、この時点でもう来なくなるものですが……、
なんと、この男性客は、ふたたび来店したのですね。
しかも、またしても店内につばを吐く!
そのまま逃げようとしたのですが、警戒していた社員に捕まり、そしてついに出入り禁止となりました。
心のどこかで、もう負けなくてもすむ「出禁」になることを願って、わざとそういう迷惑行為(つばを吐く)をしていたのでしょうか……?
道路や公園などの公共の場や、公衆の面前で唾を吐くと、軽犯罪(第1条26号)が適用されることもある。
3. カップ酒をチャージする酔客(条例違反)
年末が近づくと、街の治安はわるくなっていくものですが……それはパチンコ店もしかり。
とある年末シーズンに、顔を赤くして酒のにおいを放つ男性客が、来店するようになりました。
私がバイトをしていたパチンコ店は、例に漏れずで飲酒後の入店も禁止です。
ただ、初めのうちは、「おおごとを起こさなければ」と、大目に見てもらえていたのです。
どうせ来るのも年末だけだろう(それを越えたらもう来なくなる)、というのもあったようだな
しかしこの男性客、来店するたびに、酔いの状態が深くなっているようにも見えました。
どうやら酒を飲むことで運を味方につけているらしく、男性客は酔拳ならぬ酔レバーオンでその日も勝負に挑みます。
ところが、その日はどうも調子がわるい。
(なぜだ……?)
本人も首をかしげ、「なぜ当たらないのか?」と、不満をあらわにしていました。
まだなにかをしたわけではないですが、パチンコ店に酒を飲んで来るというルール違反を、なんどもくりかえしている要注意人物です。
なにかしでかさないかと、ホール従業員の視線、そしてモニタールームでの監視は、問題の男性に集中していました。
すると!
男性客は遊技を中断して席を立ち、自動ドアをくぐって、階段のほうへ行ったのです……。
いったい、なにをする気なんだ……?
男性は階段の踊り場で、人目を気にしつつ、おもむろにポケットからなにかを取り出しました。
それはなんと、カップの日本酒。
それを一気に飲み干すと、男性客は、気合十分といったようすでふたたび遊技台へもどります。
そして、顔を真っ赤にして、渾身のレバーオン……!
と、なったところで、現場を監視カメラで見ていた社員が「さすがに階段とはいえ店内での飲酒はアウト」と判断。
年末に現れたこの酔っ払いは、結局出入り禁止となったのです。
お酒を飲んでいるのは、「顔の赤み・におい・雰囲気(テンション)」などでだいたいバレる。
4. 堂々たる置き引き男(窃盗)
若い男性客と女性の常連客が、隣同士に並ぶかたちで、某ピエロの台(北電子)で遊技していました。
男性客は調子がいいようで1箱以上をカチ盛り。
一方、となりの女性客は調子がわるく、なかなかいい流れをつかむことができません。
ハア~、クソピエロしばいてやろうかしら……
となりが出しまくっているときの自分は葬式状態って、ほんとうに腹が立ちますよね。
そんなわけですから、女性客はいちど遊戯を中断。
席を立ってどこかへ行ったのですが、持っていくのを忘れてしまったのか、台の上には財布が置かれたままでした。
しばらくしてから席にもどった女性客は、なにかがおかしいことに気がつきます。
……そう、自分の財布がなくなっていたのです。
これは、やばいやつ(事件)だと直感しましたね
かばんの中にもなければ、台の上にもありません。
なんと置き忘れた財布は、一瞬のすきを突かれ、不届き者に盗まれてしまったのです!
みるみる青ざめていく女性客の顔。
紫色の告知ランプは光らないくせに、顔面は青白く発光しているかのようでした……。
相談を受けた私はすぐに上に報告し、監視カメラでの「消えた財布」の捜索が開始されます。
なんだ? どうしたんだ??
となりで遊技していた男性客も、なにか事件が起きていることにおどろいていました。
そしてその後、捜索をおえた社員から、インカム(業務連絡をするトランシーバーのようなもの)で連絡が入ります。
となりの若者が財布を盗ったのが確認できたので、そのまま待機しててください
……コイツだったのかと。
社員が通報し、しばらくしてから警察がホールに到着。
若い男性客は、そのまま窃盗の容疑で警察に連れていかれ、出入り禁止となりました。
さわぎになったあとも彼がその場に居つづけたのは、もうどうしようもないと観念したから(成り行きに身をまかせたから)だと私は思っています。
たぶん、ほんとうに出来心だったのでしょう。
でないと、行動に説明がつきません……
そんなつもりはなかったのに、気づけば悪事に手を染めていた……
パチンコ屋のもつ負のオーラは、「悪の道に人を誘い込む」強い力がある、といまでも私は思っています。
男性客の出玉はひとまずそのまま保管されていたので、あとで取りに来ていたらの話ですが、交換・返却されたのではないかと思います。それから、パチンコ店での「財布・出玉・ICカード」などの盗難は、やはりけっこう多いです。
5. トイレ大事件(器物損壊)
パチンコ店で負けた腹いせに、トイレにいたずらをしていく人が一定数います。
- トイレットペーパーを大量に流して意図的にトイレを詰まらせる
- 小水(おしっこ)をまき散らして便器や床をよごしていく
- 便座やウォシュレットを破壊する
これらの行為は、器物損壊などに問われる可能性がある立派な犯罪……。
なのですが、パチンコ店のトイレでは、こういった行為がおこなわれやすいのが現状です。
だれにも見られていないからってことで、やりやすいんだろうな
そして某日、大事件が起こりました。
ふだんと変わらない業務を淡々とこなしていた従業員のあいだに、インカムをとおして社員から、業務連絡が入ります。
ちょっと、トイレを清掃中にしておいてもらえますか……?
絶望まじりの声に、私は、ただならぬ気配を感じました。
これは、なにかやばいことがトイレで起きている……。
そういえば以前、オムツだかパンツだかが捨てられていた、なんてこともあったな……
再度インカムから連絡が入ったのは、そんなことを考えているときでした。
便座カバーの「上」に用(大)が足されていました……
……便座カバーの「上」に「大」?
このときは、だれもが状況を把握するのに、数秒の時間を要したと思います。
便器ではなく、便座ですらもなく、「便座カバーの上」です。
これは、完全に、常軌を逸しているとしかいいようがありません……。
監視カメラの映像で、おそらくこの男性客だろうと特定はできたようでした。
が、さすがにその疑惑の人物は、二度とお店に来ることはありませんでした。
- 人間としての尊厳は……?
- というか、どういう体勢で?
と、思うことはたくさんありましたが、発見したのが私じゃなくて心底よかったと思わされた、トイレ「大」事件だったのです。
この件では、本人に出禁が通達されることはありませんでしたが、「セルフ出禁/迷惑行為で二度と行けない状況を自分でつくった」ともいえるので、エピソードに加えておきました。
今回のまとめ&パチンコ店を出禁になる方法
- パチンコ店にはお店側、お客側が守るルールがある
- ルール違反の程度によっては出入り禁止になることもある
- 正式にパチンコ店を出禁になる方法もある(最重要)
パチンコ店ではお客さんが出入り禁止になることはふつうにあります。
出禁となった情報は、グループ店舗・近隣のライバル店で(写真付きで)共有されることもあります。
そして、いちど出禁となれば、もうその店舗に行くことはできません
だからこそ、「出入り禁止になりたくて、わざと問題を起こしている人もなかにはいるのではないか?」と私は思うのです。
ということで、最後にいちばん大切な話だ
じつをいうと、
もう二度とこの店舗には来られないようにしよう
と、ここではいえないような迷惑行為に走ってしまったことは、元依存症である私にもありました。
そうすることでしか、パチンコに行く自分をとめられない、と感じていた時期もあったからです。
ただ、そんなことをする必要は、いまの時代にはもうありません
現在は、正式にパチンコ店を出禁になる方法があるからです。
それこそが、「自己申告・家族申告プログラム」というものをお店に申し込む方法です。
- 必要書類に記入して提出するだけで、パチンコ店は出入り禁止!
プログラムを利用できない店舗でも、店長の裁量によっては、そのまま出禁にしてくれたりもします。
パチンコ店を出禁になりたいから問題を起こす……。
そんなのは、たとえはあれですが、死にたいから死刑になるような犯罪をおかす、というのとおなじような話です。
もし、そのような思考におちいってしまうことがあるのなら、まずは「正しい出入り禁止になる方法」を知ってください。
そしてその方法を知ったのなら、お店に行って申し込んできてください。
私はそれで、行きつけのパチンコ店などを「正式に」出禁となり、それもあってパチンコをやめることができました
パチンコ店を出禁になればもう行かなくてすむ。
これはパチンコ依存を克服する特効薬になるので、ぜひ、活用してみてください。
冒頭でお話しした「あくまで依存症対策としての出禁」とは、そういうことです。
コメント(確認後に反映/少々お時間をいただきます)
コメント一覧 (4件)
タバコ三回注意されて出入り禁止何年間パチンコ店行かれないですか。
タバコが注意されたというのは吸い方に問題があったということなのでしょうか?
パチンコは、依存症の再発もあって、今年は1回+惰性で行ってしまいましたが、それによって、現在は克服状態がかなり仕上がってきています。おそらく来年から0回になるのではないかと思っていますよ。
タバコ三回注意されていた出入り禁止わ何年間そこでできますか
タバコを注意されて出入り禁止になったお店には何年間行けないのか? ということでしょうか。
もしそういうことでしたら、今後も出入り禁止が解除されることはないと思います。
パチンコ店は、いちど出禁になってしまうと、それがくつがえることは基本的にありません。
残念ながら、ほかのお店を探すしかないのではないかと思いますよ。